消えた男の日記

小説

 少し古い1996年で赤川次郎先生の作品になります。20代の頃は赤川次郎先生の作品を良く読んでいたのですが、仕事が忙しくなり小説自体読むことがなくなったのです。最近BOOKOFFで安く売っているのを見つけ『もしドラ』とともに100円で購入しました。この2冊がどちらも100円とはものすごくコスパがいいですよね。

 赤川次郎先生の得意分野でこれぞユーモアミステリーの神髄と言わんばかりの作品なので赤川次郎先生の作品を読んだことのない人でも安心して読める一冊だと思います。

作品情報

書 名:消えた男の日記
発行日:文庫版 平成8年(1996年)11月25日 初版発行
著 者:赤川次郎
発行所:株式会社 角川書店
定 価:文庫版 税別540円
ISBN:4-04-187926-4

作品概要

 主人公は50歳になるやりてのベテラン刑事「入江鉄郎」なのですが、大物政治家の捜査をやりすぎてしまったために左遷されるところから物語は始まります。長編サスペンス・ミステリーと謳っているだけあり物語はピンチの連続です。物語進むにつれて登場人物が多くなっていくのですが、全員集まることはラストくらいで数人単位でその場その場のピンチを切り抜けていく感じになります。

 序盤は左遷された刑事グループの「入江」と入江の部下である「柴田依子」「大内栄二」の三人と都会グループは入江の娘で大学生の「咲江」友人で同じ大学生の「川田京子」二人と同じ大学の生徒で変わり者でもある「松本重起」の三人のグループでそれぞれ物語は進んでいきます。

 刑事グループのほうは、謎の少女「笠矢祥子」に行方不明の父親の捜索を依頼され手がかりである父親の日記を預かることにまります。その日記ですが内容はラテン語で書かれているため翻訳する必要があるのですが、ラテン語の翻訳となると一筋縄ではいきません。そこで入江は娘の咲江に翻訳を依頼することになるのですが・・・

 残された日記をめぐり攻防が繰り替えされるのですが、当然というか左遷された先の警察署長「水島」は胡散臭く頼ることが出来ません。それどころか入江達は無実の罪で警察にも追われることになるのです。

 何故入江達は追われることになったのか?そして黒幕の正体は?そして日記に書かれている内容は?

 読み進めていくと本当に最後まで謎が明かされることがなく、残りページが少ないけど本当にすべての謎が解けるのかな?としなくてもいい心配をするほどでした。少しご都合主義的な所もありましたがフィクションなので楽しめれば問題ないと思いました。

まとめ

 長編とは謳っていますが私自身は一気に読んでしまいました。読んでいるととにかく先が気になってしまいどんどん読み進めてしまうんですよね。赤川次郎先生の小説を読むのも20代以来だと思いますが、いくつになっても赤川次郎先生作品は面白いなぁと感じました。

 1996年と結構古い作品ですが小説のせいか古臭さを感じることはありませんでした。ただ生まれたときから携帯、スマホ、インターネットが当たり前の世代にはどう感じるか気になる所です。当然、本作品にはこれらの物は出てきませんので。

主人公の入江とは同世代ですがいやにおじさん臭く書かれているのですが、はたから見たら自分もそんな感じなのかな?とは思い少し苦笑いしてしまいました。

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