ネットにおすすめ小説を検索し興味をもち読んだ作品になります。ネット上ではいろいろなところで高評価で、評判通りの良作でした。
ボリュームは結構あり少しかわった重厚なミステリーを読みたい人向けな玄人好みの作品です。
作品情報
書 名:火車
発行日:文庫版 平成10年2月1日 初版
著 者:宮部みゆき
発行所:株式会社 新潮社
定 価:税別1,000円
ISBN:978-4-10-136918-1
作品概要
ストーリーは行方不明の婚約者「関根彰子」の捜索を親戚の青年「栗坂和也」から、捜査中に怪我をしてしまい休職中の刑事「本間俊介」が頼まれるところから始まります。
休職中の暇つぶし程度に始めた捜索ですが、同僚の「碇貞夫」や関根彰子が遺産相続の相談をした「溝口弁護士」等の人達からの協力もあり、調べているうちに関根彰子の失踪理由がただごとではない事に気づき本間自身興味を持ち捜索当初とはまた違った思いで捜索活動を行うこととなります。
関根彰子の過去を調べていくと、今後重要な人物となる「新城喬子」という女性の名前がでてきます 。本作品は本間俊介を通じて、関根彰子と新城喬子の人生をたどる物語といえます。二人は普通の女性なのですが、なぜ普通の女性の人生をおうだけでこんなに魅力的な作品になるのか?疑問に思うかたもおられると思います。
二人は普通でも周りを取り囲む状況は普通ではなく、家族構成や当時の社会問題でもあるカードローンに対する法の不備が絡まり今回の失踪が複雑だが魅力的なミステリーとして成立しています。
まとめ
本作は良作ですがやはり長編ミステリーなので誰でも気軽に読める作品ではありません。しかも物語は終始関根彰子と新城喬子の人生を振り返る話ですから、作中にこったトリックや奇抜な殺人事件があるわけでもありません。
文章ではうまく説明できないのですが、それでも読む価値のある作品だと思います。冒頭でも書きましたが、本作はやはり玄人好みの作品だと思います。ネタバレはしたくないのであまり書けませんが、賛否ありそうなラストは私としては余韻の残る終わり方は悪くありませんでした。みなさんの感想も聞かせていただけると嬉しいです。
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