前回読んだ『白夜行』があまりにも重い話だったので、今回はライトな物と思い『吸血鬼はお年ごろ』にしてみました。
過去に一度読んだことのある作品なのですが、シリーズ化されるほどの人気作で高校生から20代にかけて姉の影響で読んだ記憶があります。
本作は短編集で3話収録されています。先ほども書きましたが内容はライトなミステリーで短時間でサクッと読めます。内容的にもストーリー的にも10代、20代の若い人におすすめだと思います。
作品情報
書 名:吸血鬼はお年ごろ
発行日:集英社文庫版 2009年12月20日 第1刷 ※コバルト文庫版は1981年12月刊行
著 者:赤川次郎
発行所:株式会社 集英社
定 価:税別514円
ISBN:978-4-08-746523-5
作品概要
正統な吸血鬼の血をひく女子高生、神代エリカを主人公とし身の回りでおこる奇妙な事件を解決していくストーリーとなります。
普通のミステリーと違うところは、主人公である神代エリカとその父であるフォン・クロロックが少し超人的な能力があるところです。例えば、二人とも催眠術で相手を思うようにコントロールすることができます。基本は油断している相手にしか効果がないため、容疑者をかたっぱしから催眠術をかけて尋問していくというパワープレイは出来ない設定です。
一見インチキな設定に思えますが、催眠術を使えることによって吸血鬼が日常生活を行う様々な問題をクリアし矛盾をなくすことに役だっています。
もうひとつの能力として、身体能力の高さがあります。神代エリカの身体能力はかなり高い設定だとは思いますがシリーズ1冊目の本作では身体能力を生かした場面はあまり出てきません。それよりフォン・クロロックは度々登場人物のピンチに駆けつけ大人の男性を手玉にとる様子が書かれています。
フォン・クロロックはトランプのジョーカー的な立場であり、推理力や身体能力はエリカより数段上です。ですからピンチになると現れたり、推理がつまった時にアドバイスをくれたりします。
短編集なので1話あたりのページ数が少ないからとは思いますが、最後の謎解きは結構強引なものが多いきがします。
まとめ
冒頭でも書きましたがライトな小説を読みたい人にはぴったりの作品だと思います。私の記憶では今後シリーズ化し、レギュラーの登場人物も少し増えるはずなので読み進めるのが楽しみです。赤川次郎先生の作品は他にも、三人姉妹探偵団やこちら団地探偵局など面白い作品があるので順次紹介していきたいと思います。
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