これからの商売するうえで大事なノウハウが書かれています。あくまで過去ではなくこれからです。読み物としても面白い一冊ですが、起業している人や起業を考えている人には特におすすめだと思います。
作品情報
書 名:夢と金
発行日:2023年4月19日 第1刷発行
著 者:西野亮廣
発行所:株式会社 幻冬舎
定 価:税別1,500円
ISBN:978-4-344-04050-2
作品概要
この著書の作者は、私のようなアラフィフ世代の人にはテレビ番組『はねるのトびら』で主に司会を担当されていた印象が強いキングコングの西野亮廣さんです。今更説明する必要が無いほど有名な方とは思いますが、最近は吉本興業のほうも退社されあまりテレビで見かけることはないのですが、漫才師や絵本作家というより私にはやっぱり『はねるのトびら』のイメージが強いですね。
作品概要から少し横道にそれますが、西野亮廣さんは芸人として成功しているだけでなく、お金を稼ぐことも上手な人です。私としては、同じようなジャンルに分けられる人として元ライブドア社長の堀江貴文さんや2ちゃんねるやニコニコ動画作成者のひろゆきさんがいます。
このかた達の共通点としては、才能があるのは勿論ですが若いときに並々ならぬ努力をしているにもかかわらず、そこらへんをあまり表に出さないところでしょうか。
個人的な意見として西野さんをはじめ堀江さんやひろゆきさんは、自分自身を商品としているところがあり、発言内容すべてを鵜呑みには出来ないと思っています。世間で注目を集めることもビジネスのうちなので多少話を盛ったり、過激な発言をしないといけないと思うからです。しかし、以上を差し引ても本図書は私にとってはこれからの資産形成に参考になる部分が多くとても面白く最後まで読ませていただきました。
本書で語られることは、お金を稼ぐことの重要性やお客の質の違い、商品を高く買ってもらうための戦略が書かれています。サラリーマンの私が読んでもためになる箇所は多々ありましたが、やはり起業されているかたやこれから起業しようと思っているかたのほうがためになると思います。
現在はネット環境が普及したせいで誰でも手軽に有益な情報を得ることが可能となりました。例えば外食産業でも、価格や料理のレシピはネットで検索すればすぐにわかり、まずいラーメン屋やぼったくりの食堂などは姿をけしつつあります。なんせネット検索すれば商品の適正価格かどうかはすぐにわかってしまうし、お店の評判なども書かれているからです。
それでは価格や機能で差別化が難しい時代にどうやって物を高く買ってもらえるか?剥離多売の価格競争から抜け出すにはどうしたらよいか?その答えを西野さんは顧客のファン化だとしています。商品ではなくそれを売る人のファンになって貰おうというわけです。
お客さんとコミュニュケーションを取り店員自体に魅力を感じてもらい商品を購入してもうらおうというもの。
西野さんの体験が書かれているのですが、高級ホテルに泊まったときスマホの充電器を忘れたそうです。そしてホテルのフロントでスマホの充電器を借りて難を逃れたという話なんですが、過去にもフロントにスマホの充電器を借りに行った人がいたと思うのだが、何故部屋にスマホの充電器を常備しなかったのかを考えます。
そしてこれが顧客のファン化=店員を惚れさせるサービスだとしています。あらかじめ部屋にスマホの充電器が常備されていれば宿泊客はたいして記憶には残らないでしょう。しかし、フロントに問い合わせ借りれたとなれば印象に残りやすいため高級ホテルとはいえ、むしろ高級ホテルであればこそあえてスマホの充電器を常備しなかったのでしょう。
西野さんはご自身でインターネットサロンを経営しており西野さんも含めサロンメンバー同士がお互いのお店に行ったりするそうです。ここらへんの考え方は量販店や大企業のチェーエン店などには難しく個人経営の店が生き残る秘訣になるのかもしれません。
他には、先ほどの事とは反するようですが商品を安く販売するためにはお金持ちを取り込まなければならないと言っています。指定席やVIP席があるような劇場や飛行機で値段の高い席を設定することで一般席の値段を下げ幅広い層を取り入れようというものです。簡潔にまとめましたが、当然実際にはもっと詳しくお金持ちの取り込み方が書かれています。
あと印象に残っているのは「不便をデザインしろ」というものです。バーベキューや登山は言い方をかえれば不便を楽しむ場所です。バーベキューでは店員が焼いて提供してもらっていては楽しさ半減どころかバーベキューである意味すらないかもしれません。苦労して火をおこし、たまには食材を焦がしたりする所に娯楽があるわけです。
このように不便があることによって良い場合があるため、むやみに不便を取り除かずあえて残すようにしようと言っています。
後半ではNFTの魅力と可能性に関して書かれていたのですが、正直私には敷居が高く、へぇ~そんな物もあるんだな~くらいの印象でした。日本のクラウドファンディングの先駆者でもある西野さんですが、このNFTにもかなり可能性を感じておりその熱意は伝わってきました。
まとめ
当然西野さんに直接お会いしたことは無いのですが、本著書を読んだ感じではかなり頭がよく熱い人なのかなと思いました。『はねるのトびら』が終わり、ひな壇には座らない発言を聞いてからはあまり良いイメージがなかったのですが、本著書を読んでから変わりましたね。
本著書を読むきっかけは忘れたのですが、もしかしたら動画の切り抜きか投資系youtuber(筋肉ライオンさん)のおすすめだったかもしれません。本著書が面白かったため、過去の西野さんの著書『革命のファンファーレ』『新・魔法のコンパス』も購入し読んでしましました。
本著書は若い人ほど、のちの人生に活かせるとは思うのでぜひ一度読んでもらいたいですね。でも実際は自分のような中年?初老?のおっさんが読者の大半のような気がします。
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