赤頭巾ちゃんの回り道

小説

 実はこの本を読む前に東野圭吾先生の『幻夜』を半分ほど読んでいたのですが、あまりの鬱展開に精神をやられそうだったので幻夜は途中でやめ、読む本を急遽変更した経緯があります。

 赤川次郎先生の作品であれば鬱展開になることは少ないと思いBOOKOFFで適当に選んだのですが大正解でした。本当は『こちら団地探偵局』の一作目が読みたかったのは内緒です。

作品情報

書 名:赤頭巾ちゃんの回り道
発行日:文庫版 1999年5月15日 第1刷
著 者:赤川次郎
発行所:株式会社 双葉社
定 価:税別543円
ISBN:4-575-50676-1

作品概要

 主人公であるベテラン刑事の『尾田和成』は妻の身体を心配し、家を空けることの多い刑事をやめ探偵社に勤めるところから物語は始まります。私はそこまで多くの赤川作品を読んだわけではないのですが、主人公や相棒に刑事がいないというのはめずらしい設定なのかなと思いました。ただし中年の男性と若い女性のコンビは赤川作品ではポピュラーな設定だと思います。

 主人公の尾田は相棒である20代の女性で探偵社の社長の娘でもある『神代南』と共に誘拐事件に関わっていきます。物語は誘拐事件にかかわるさまざまな人間関係が絡み合い終盤へとむかっていきます。ページ数の関係もあるし小説としては当たり前なのかもしれませんが、新しい登場人物が出るたびに既存の登場人物と何らかの関係があるのはさすがにご都合主義だなぁと思いました。

 誘拐事件を追っていくうちに殺人事件も起きるのですが私自身は最後まで犯人はわかりませんでした。その分楽しめたともいえるのですが。 

まとめ

 総ページ数にくらべて章毎の区切りが多く隙間時間に読みやすいと思います。内容も安定の赤川作品であり、ストーリー自体に以外性はないものの肩の力を抜いて気楽に読める一冊だと思います。

 少し昔の作品かと思いますが特に古臭さを感じる描写も少なく今でも楽しく読めると思いますので読んで損はしないと思います。

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