革命のファンファーレ 現代のお金と広告

金融関係

 

 以前に紹介させていただいた『夢と金』の著者西野亮廣さんの書籍になります。発売日は『夢と金』よりも古い作品になるのですが、私が読んだ順番がこうなので読んだ順番通りに紹介することにしました。ちなみに、本図書よりもさらに古い『新 魔法のコンパス』もいずれ紹介していきたいと思います。

 内容は西野亮廣さんらしく、副題通りの現代のお金と広告のことについて書かれています。起業されているかたやこれから起業しようとしているかたはもちろん、サラリーマンの人が読んでもためになるし面白い本だと思います。本当はのびしろがある学生の方が読んだほうが有用とは思いますが、手に取る学生はなかなか少ないように思います。私自身、高校生のときなら絶対読んでいないですからね。
 少し古い本ですが今ブログを書くためにもう一度読み返してみましたが現在でも通用するスキルだとは思いますし読んでて面白かったです。

 私が印象に残っている箇所をピックアップして紹介させていただきます。

作品情報

書 名:革命のファンファーレ
副 題:現代のお金と広告
発行日:2017年10月4日 第1刷発行
著 者:西野亮廣
発行所:株式会社 幻冬社
定 価:税別1,389円
ISBN:978-4-344-03155-5

作品概要

クラウドファンディング

 発売日が前後してしまうのですが、本書には『夢と金』でも書かれていたクラウドファンディングを成功させる秘訣が書かれています。芸能人がクラウドファンディングを行っても失敗することが多く認知度だけではクラウドファンディングはうまくいかないと本書では書かれています。

 では、クラウドファンディングを成功させるには何が必要なのか?それは信用であり人気だと著者は言っています。よくテレビで見る芸能人のギャラの出所はスポンサーです。そしてスポンサーから芸能人に求められるのは好感度になります。芸人である西野さんの実体験からくるもなのでリアリティーがあるのですが、好感度を上げるためにはまずい料理も美味しいと言わなければいけないときがあるのだとか。そもそもまずいと言ったら採用されないらしいです。
 当然のことながらスポンサーのためとはいえテレビで嘘をついていては個人の信用は得られません。今はネットで手軽に何でも調べられる時代、その店の料理がうまいかまずいかはすぐにわかってしまいます。そして信用される者が人気を勝ち取りファン(直接課金してくれる人、例えばライブに来たりグッズを買ってくれる人)が増え、テレビ出演にこだわる必要がなくなるとしています。


 西野さんはベッキーさんと川谷さんの不倫を例に説明していました。ベッキーさんは人気タレントではなく認知タレントでありファンがいなかったが、川谷さんには支持してくれるファンがたくさんいた人気タレントだったとういうことです。私も同じ不倫をしていたのにもかかわらず、むしろ結婚していた川谷さんのほうが責任が重そうにもかかわらず、芸能活動不能にまでおちいったベッキーさんにくらべ川谷さんの生活にはあまり変化はないように思っていたから西野さんの説明は納得できました。

 フリーミアム

 西野さんは「えんとつ町のプペル」の販売戦略として『フリーミアム戦略』をとったそうです。フリーミアムとは「基本的なサービスは無料で提供するが、さらに高機能、高精度のサービスは有料にします」というものです。フリーミアムを説明するのに西野さんは試食を例にしていましたが、私はオンラインゲームを連想しました。無課金でもゲームをすることはできますが、勝てる確率や楽しめる娯楽は減りますよ的なやつです。

 そしてこの『フリーミアム』とインターネットは相性が抜群だと西野さんは言っています。試食の場合10人のうち一人が買ってもらえたら利益が出るとした場合、10人分は無料で試食をしてもうことになります。しかし、インターネットの場合一つ作ってしまえばあとは何人に配布しても一つ分の手間で済みます。インターネットの場合はデータなので何人に配布しても減ることはないのです。

 さらに『フリーミアム』は絵本販売とも相性が良いとも言っています。絵本を買うお母さんは内容を吟味してから買う場合が多いため、無料で絵本の内容を公開することは購買につながりやすいとしています。ここらへんは西野さんは『えんとつ町のプペル』に絶対の自信をもっていたからなのだとは思いますが。

 ちなみに上に書いた『絵本を買うお母さんは内容を吟味してから買う』というのは小説等とは違い、絵本ならではのことなので絵本を買ったことがない方にはイメージがわきにくいかもしれません。まず絵本は子供に読み聞かせるものであり有害なものを子供に見せようとは思いません。そして経済的な面もあります。絵本は1,000円以上が普通です。失敗しないためにも内容を吟味し面白い絵本を買いたいと思うのは当たり前ですよね。

 『フリーミアム戦略』がうまくいき見事売上を伸ばした西野さんですが、この『フリーミアム』=無料公開=実力の可視化と言っています。ようするに本当に面白いもの出来の良いものは無料化することによって売る上げを伸ばすことが可能になるが、実力の伴わないものは逆に売り上げを減らすことになると言っています。

まとめ

 特に印象に残った『クラウドファンディング』と『フリーミアム』について書かせてもらいましたが、当然他にも広告、宣伝の方法について書かれています。おみやげ、セカンドクリエイター、ハロウィン、後悔の可能性、許され力、しるし書店、等他にもいろいろ書かれていますので気になる方は是非本書を読んでもらいたいと思います。

 ビジネス書として面白いしためになる図書とは思いますが、サラリーマンの私にとっては実践的ではないと感じました。私自身の能力の問題もあるかと思いますが、クラウドファンディングが資金集めの有効な手段なのは納得できましたが、実際この本の知識が仕事で役にたつかと言われれば難しいと思います。冒頭でも書きましたがやはり本図書は経営者や起業家の人むけかもしれません。

 ただし、長期の目線で考えればサラリーマンや学生の方も大いに役立つとは思います。次は『新 魔法のコンパス』でまた西野さんの本を紹介したいと思います。

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